ヴァンパイアの花嫁 番外編②
* * * * * *



《私のお気に入りだ》


先ほどのレオンの言葉が気になる。



「愛してる」の言葉は滅多に言ってくれないけどレオンに愛されている自信はあった。



あんな言葉を言われてしまうとあたしはお人形のように感じてしまう。



「・・・ちゃん、ティナちゃん?」



名前を呼ばれて我に返った瞬間、持っていたグラスの中身がテーブルに飛び散った。



「え?きゃっ!」


グラスを持つ手が赤く濡れる。


「大丈夫かい?」


隣に座っていたエミリオが片手をあげて後ろに控えていた召使いを呼ぶ。


その騒ぎにエレオノーラと話をしていたレオンが隣のティナを見る。



「可愛い手が濡れてしまったな」


レオンはティナの濡れた手を持ち上げるとワインを舐めとっていく。


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