ヴァンパイアの花嫁 番外編②
「離れなさいよ!」


シンシアはティナの肩を力いっぱい掴むとアードルフから引き離した。



人形のようにティナの身体は床に打ち付けられる。



「まったく!何を考えているのよ!一刻も早くこの女を始末したい位なのに!」



今ここで殺したいくらい。



「シンシア、この娘は素晴らしいんだ」



「何を寝ぼけた事を言っているのよ!あの男にお姉さまを殺されたのよ!?」



ティナは朦朧とする意識の中で入って来た女と男の会話を聞いていた。



レオンが・・・この人のお姉さまを殺した?



「腹立たしいわ!」



シンシアはティナに屈みこむと頬を強く叩いた。



ティナの意識はそこで途切れた。




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