嘘つきな姫
騒ぐ和を無視して
真っ直ぐ私の目を見る
ドクッ…ドクッ…
まただ…
「…………本当だよ」
その視線に捕まった私は動くことも目をそらすこともできない。
「…ぅん。」
わたしが答えると
「………よし」
フッと笑って立ち上がった
いつの間にか休み時間になっていたみたいで…
「おい!愁ー?どこ行くの?」
和の呼び掛けに
「…購買」
と短く答えた
「俺も行くー」
「だめ」
と足早に教室を出ていく愁に
キャッキャ言いながらつきまとう
「何買いに行くのぉ?」
「ねぇー私にも買ってー?」
なんて声が廊下に響く
あっという間に教室は男子だけになってしまった