嘘つきな姫

休み時間になりある男子生徒に呼ばれる


「………好きです」


男子生徒についてきたのは校舎裏


「ごめんなさい」

曖昧な返事は相手を傷つける
でも……


「…………だよね…ハハッ」


そのヒトは自嘲ぎみに笑う
この瞬間…


「違っ……」


釣り合わないとか
好きじゃないからとか


「な、泣かないでっ?」

そういう事じゃない


いつも、一番“素”になるとき。

「お友達…じゃ…だめッ?」

涙を浮かべながら見上げる

「………ありがとう」


ほら、また傷つけた
傷つけたくなくて、
でも、結局「いい子」になって


みんな友達


いい子が言う



みんなに好かれようとする


「いい子」でいる自分に腹が立つ。



< 3 / 129 >

この作品をシェア

pagetop