嘘つきな姫
ふと、離れた愁に名残惜しさを感じた
うつむいたままの私からは彼の表情は伺えないがきっと、優しいカオをしていたと思う
すごく穏やかな声で
「彩莉…明日、デートしよっか?」
と、
って…
で、で、でぇぇぇえっ!?
「で、デートっ!?」
バッと顔を上げるとニコニコと微笑む愁が
「うん。明日暇?」
デートって、
付き合っている男女が
出かけるってゆー
かの有名なデートですか?
「ぇ、ぁ、ぇ、」
完璧パニック状態の私に愁はクスクス笑った後、
「ぁ、付き合ってないからデートじゃないかな?」
と、嫌がらせの無茶ぶりとしか思えない質問を屈折のない笑顔で向けてくる
「ぅ、ぅ……ぅん」
私が肯定をすると、一瞬少し寂しそうな顔をしまた笑顔に戻ると
「じゃぁ、買い物に付き合ってほしいんだ。」
と、
な、んだ…
びっくりしたじゃないか…
「うん、行く」
「じゃぁ、明日9時にむかえくるな」
「ぇ、」
なんか悪いなぁ…
「いいから、」
「ぅん、じゃぁ待ってる」