嘘つきな姫



……………






「しゅー?」
「ん?」


えーっと………


「これは?」
「車」

即答!!く、車かぁ…
うん。知ってる……


車は分かるんだけどさっ…


な、長いッ!!!
長いよ車ッ!!


「…嫌?」


「そ、そゆー訳じゃ。」


長い車の一部であるドアをあけてるスーツの人…

「あ、すーさん。」

いや、気になったけど、紹介とか頼んでないし!

問題は何者かってことで。

「あ、はじめまして。」

取り敢えず挨拶しちゃったら…
何か深々とお辞儀されちゃったし。


「彩莉、取り敢えずのって」

「う、うん。」


┏┓の形になっているシートの突き当たり…後ろの方に座る


「……フワフワ」


シートがフカフカしてる!!
愁は微笑みながら、
私の横に腰掛けると、

「すーさん。忍の店まで。」

と?

「かしこまりました」


かし!?

いまさらだけど
愁って……

「………おかねもち…?」


「んー?そーかなぁ?」


どーだろと言いながら背もたれにもたれかかる…

いや、自覚ないんですか?


「…今日はたまたま、歩くには遠いし、駅も遠いトコに行くから。」


っだからって………


「そっか。」


キリがない気がした…


諦めがちに納得すると、

クスクスと笑い声が聞こえた。

「……?」

私が不思議そうに運転席を見るとミラーごしに目が合った。

「否、申し訳ございません…愁様が女性の方を連れてくるのは初めてなコトでして…微笑ましぃなと……」


そういう、すーさん(?)はとても優しい目をしていた。

「すーさん、余計なコト言わないでよ。」


と膨れた様子の愁は席を移動して

「こっち」

と自分の隣をポンポン叩いた。
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