嘘つきな姫

「ちょっ……」


人気のないところまでくると…



――ダンッ‥



「痛ッ……しゅ…ッ」


怖い…愁、顔が怖いっ


「ねぇっ…しゅう…」


じっと私を見る目が違う


「なぁ…」

「ぇ」


「そんなに忍が気になる…?」


「ぇ」


「なぁっ!」


「ぇ…ぁ…」


怖いッ


怖い


「しゅぅ…こゎい…ゃ…ぁ…」


ポロポロと涙が零れる


「あ、彩莉っ…ごめっ…俺っ」


「っく…ヒッグ…グスッ…ふぇっ…」 


愁はいつもと同じ優しい目で私の頭を撫でてる

でも、悲しい顔してた


「ね……しゅぅ?」


「ぇ?」


「私…何かしちゃったかな?」


「いや、彩莉は何も…俺がかってに…」


そこまで言うと手の甲を口にあてて顔を背けてしまった。


「しゅぅ…?」 



「いや……さ、」



「?」


「俺が…勝手に…嫉妬しただけ……」


「//////」


私の顔がボンッと音を立てて赤くなった


気がした。
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