嘘つきな姫
「あっ……ごめんなさい…」
その人は私を立たせると
「……委員長だぁ☆」
頭をクシャと撫でた
無邪気な笑顔にドキッとしながらも“委員長”ってコトバにズキッと胸が痛む
「……ぇ…あ」
「俺…愁」
「へ?」
何か調子狂うなぁ
「同じクラス…覚えてね?」
同じクラスだったんだ!!
「ごめんね……」
「クス…昨日の今日だから、知らなくて当然だよ。これから覚えてくれればいいから。」
「…ぅん」
ねぇ…出来ないよ
いつもみたいによろしくねッて笑顔が
熱くなった顔を俯けることしかできない。
‐愁ーーー?‐
遠くで彼を読んでる
「じゃぁ、俺行くね?また後で………彩莉」
「…えっ?」
さっきは委員長だったのに。
「あ、ごめん…委員長って呼ばれるのイヤみたいだから…彩莉でいい?」
ウソっ
気付いたの?
それとも偶然?
私が顔に出ただけ?
「イヤだったらゆめ……」
「彩莉でいい!彩莉ってよんで?」
初めて人に“素”で話した。
「うん」