この腕の中で君を想う
「どうしよう…」
私は力無く席に座った
親に迎えに来てもらう…といって場所が分からないし、なにより寝過ごした…と言うのが恥ずかしい
「…そうも言っていられないよねぇι」
シートに身を預けると下を俯き、ちっぽけな自分のプライドと葛藤した
――――――――……‥
"まもなく○△駅~○△駅~お出口左側です"
駅の到着を知らせるアナウンスが流れた
結局答えは出ないまま、最寄りの駅に着いてしまい、仕方なく降りる支度をし始めた
鞄を肩に掛けて、立ち上がると、出口近くの手すりを掴む
他の人も次々と入口付近へ集まっていく
電車はガタンゴトンと音をたてながらゆっくりと速度を落として
やがて動かなくなった
「うわっ…!!」