この腕の中で君を想う


隆也さんと仕事以外で会うのは久々でかなり嬉しいお誘いだが…正直気分が乗らない


「俺…『お前に拒否権はない。それに敬語使いすぎてるから今すぐ来い!!

住所は○○○だから、じゃあな!!絶対来いよ!!』

「ちょ…話を……って切れてるし」

隆也さんは俺の意見を一切聞かずに一方的に喋ると、勝手に電話を切ってしまった



「………」


ツーツーという虚しい音が耳に響く


横暴だろ…これは


「……ったく」

今日何度目か分からない溜め息をつく

俺に拒否権はナシですか

クシャクシャッと頭を掻き乱すと、ずっと握り締めていた手帳に目がいった


「…後でいいか」

何となくそのまま捨てる気にはなれず、再び鞄に戻すと

とりあえずタクシーを捕まえようと思い、駅を後にした







† † † † † †

 What happend twice

 Will happen thrice

† † † † † †

ふと、本に書かれていたある一節が頭によぎった



  "二度あることは"
   "三度ある"




この言葉を実際に使う時が来るなんて…この時の俺は思いもしなかった



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