この腕の中で君を想う
――――――――…‥
運転手にお金を払い、タクシーを降りる
「多分…ここだよな?」
"多分"と付くのは隆也さんの家の外観がどういう風なのか聞いておらず
表札だけを見て判断したからだ
隆也さんの家は端正な住宅街の一角にあった
白い外壁で四角い箱をいくつも組み合わせたような洒落た建物
表札には"高橋"と書いてあり、不安を抱えながらも恐る恐るインターホンを押した
ピンポーン
「…はい」
すぐに女の人の声がインターホン越しから聞こえてきて、俺は一呼吸おくと口を開いた