この腕の中で君を想う
「リビングに大きな子供が二人お待ちですよ」
隆也さんの奥さんはクスッと笑ってリビングの方へ目を向ける
「大きな子供…ね」
俺も釣られて笑いながら顔を向けると頬を赤く染めた増田と視線がぶつかった
「あっ!!りゅーや!!奏ちゃん来たよ」
俺をみるなりニンマリ笑って隣でビールをちまちま飲んでいる隆也さんの肩をバシバシ叩く
「ゴホッ…誰だ…っておぉー奏斗来たか♪そんな所突っ立ってないでこっち来いよ」
軽く噎(ム)せながらしきりに手招きするものだから、思わずチラッと奥さんの方を見れば
「早く行ってあげましょう?私はキッチンで軽いものでも作りますね」
上品に笑うと、リビングの方へ小走りで向かった
「そうですね」
後を追うようにして俺もリビングへ足を運んだ