この腕の中で君を想う


机の上には飲みかけの缶ビールとおつまみの刺身に枝豆が置いてあった


「とりあえず座れ。てか遅すぎι今まで何してた?」

「何…って電車で家まで帰ってたんだけど」

隆也さんの隣に腰を下ろしながら何でもないように返答する

「奏ちゃん車持ってんのになんで電車ぁ~?」

ベロベロに酔っている増田は俺の肩に手を回すとガッシリ掴んで、ヘラリと笑った

「…暇だったから」


「「ブッ!!!」」

俺がボソッと言ったのと同時に二人とも吹き出した

「なんで笑う!?」

「ククッ…だって暇だったから電車に乗るっていう発想が…なぁ?」

「ハハッ…うん。可笑しいよね」

うんうんと二人で頷き合いながら腹を抱えて笑っている


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