この腕の中で君を想う


――――――――……‥

-佐藤眞理side-


二階に上がるとすぐさま部屋のドアを開けてベッドに飛び込んだ


「あー…柔らかくて気持ちぃ~」

ボフッと布団のいい匂いに包まれて私は少し冷静さを取り戻した



ここは、何年か前に自立して家を出た美里さんの息子が使っていた部屋で

大体の家具は邪魔だし何よりそのデザインに飽きたという理由でそのまま置いてあり


男の人が使っていた部屋に泊まることに特に抵抗はないので

今や私の指定の宿泊場所となっている



モノクロで統一された部屋

シトラスの爽やかな香りが部屋全体を包み込んでいて

この部屋を使う度に美里さんの息子さんはどんな人だろう…絶対格好良いんだろうなぁ…とか考えてしまう


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