この腕の中で君を想う


「…こんな時間に何しているんですか?」

とりあえず飲み物が欲しくて


スタスタとキッチンまで足を運ぶと

冷蔵庫に入ってある麦茶を取り出して、コップに注ぎながらなんとなく話し掛けた


「ついさっきまでおっさん二人の質問攻めにあってた。

んで、二人とも酔いつぶれて寝たのを見計らって美里さんの許可を得て風呂借りた。そっちは?」


「見ての通り、喉渇いたからお茶もらいに来ただけです」

おっさんって…隆也さんと増田さんだよね?

なんで質問攻めにあったのか気になったが


奴と同じ空間にいるのが耐えられなくて素っ気ない返事をすると、

さっさとこの場から立ち去ろうと白山奏斗に背を向けた





「待てよ」

咄嗟に伸びてくる大きな手


強い力で腕を掴まれ、強制的に立ち止まらされてしまった


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