この腕の中で君を想う


「何ですか?」

フワリと香るシャンプーの甘い匂いに少しクラッときたが平然を装って不思議そうに首を傾げる


「忘れ物…というか落とし物。多分お前のだと思うんだけど」

「忘れ物…?」

淡々とそう言うと、パッと手を離してリビングへ消えた



数分の間ゴソゴソと何か探る音がしたかと思えば、右手に何かを持って再びキッチンに戻ってきた


「はい。どーぞ」


「なに?…うそ…これって…!!」


差し出された物に思わず歓喜の声をあげた

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