この腕の中で君を想う

心、動く



「…慰める?俺はさっき慰めたつもりなんだが」

体をこちらへ向けると、手を組んで近くの壁にもたれかかった

どうやら話を聞いてくれるようだ


私と白山の距離はおよそ1メートル


大丈夫

煩く鳴っている心臓の音はバレないはず


私は自分の服をキュッと掴んで小さく口を開いた


「もっと慰めてよ」


「もっと…って?」

益々困った顔をする白山奏斗


…これだけじゃ分かんない?


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