この腕の中で君を想う


「………」


ゆっくりと唇が離れると必然的に視線が絡み合う


「……」


何も言わず、全てを見透かすような瞳でただ真っ直ぐ私を見つめる白山

僅かに憂いをおびた表情に顔が熱くなっていくのが分かった



ずるいよ…


どうしてそんな顔するの?



なんでこんなキスするの?


勘違いする


期待だってしちゃうよ



私は指先で自分の唇を触れたのと同時に

さっきの柔らかい感触を思い出した




労るように…自分は愛されていると錯覚してしまいそうな



あったかくて優しい…





だけど、すっごくズルい口付けだった



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