この腕の中で君を想う


力が抜ける


「やめて…」

懇願するようにそう言えば男はククッとくぐもった笑い声を一つあげてからペロリと耳を舐めるとゆっくり離れた

こいつ…私で遊んでるなι


「…かなと……白山奏斗(シラヤマカナト)だ。覚えておけ佐藤眞理サン?」


「なんで私のッ…!?」

質問には答えず、男は意味深な笑みを浮かべてそう言い残すと



私に背を向けてネオン街の人混みの中へと消えていった


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