この腕の中で君を想う
増田さんの車は軽で4人乗り
当然助手席にも人は乗れるわけで…
「ごめんね!!助手席荷物いっぱいで片付けてないんだ!!」
ウルウルおめめで両手を合わせて何度もゴメンねって言われたら
それ以上咎めることなんて出来る筈もなく
「いえ…大丈夫です」
昨日のことがあって気まずいだけだったから
私は苦笑いを浮かべると、シートに深くもたれ掛かって窓の外の景色を眺める
「よかった。じゃあ、出発しまーす♪」
増田さんはホッと胸を撫で下ろしニッコリ笑った
鍵を差し込みエンジンをかける
ブルルン…という音が響き、アクセルを踏みこむと車は三人を乗せてゆっくりと発進した
隣で悪魔がほくそ笑んでていたのも知らずに…