この腕の中で君を想う


「そういえば増田さんは彼女は居られるんですか?」

茶髪にピアス、着崩したスーツで少しチャラそうなイメージのある増田さん

しかし、顔はまるで小動物みたいに可愛らしい…大人に言うのもなんだけど

いわゆるギャップ萌えというやつなのか?

「彼女ぉ?ここ一年ぐらいいないなぁ~。なに?まさか眞理ちゃん俺狙い?」

そう言って横目で見ながらニヤリと笑う

「え?そ、それは絶対ないですよ~」

ふと、後ろにいる白山の存在を思い出して慌てて否定する

ん…?なんで咄嗟に白山に気を遣ったんだろ



「絶対って…そんなきっぱり否定しなくてもいいじゃんか」


「クスッ…増田さんってなんか可愛いです。からかい甲斐がありますね」

「それ大人に言う台詞じゃないよ!!」

口を尖らせてむくれる増田さんの横顔を見て思わず声を出して笑ってしまった


ほんと…増田さんって子供みたいでからかいたくなる




「もー。



俺が本気だせば眞理ちゃんすぐ落ちちゃうかもよ?

眞理ちゃん可愛いから全然彼女にするのアリなんだけどなぁ~」


「…え?」



さっきまでの幼い表情が一変して大人の顔つきになる

ミラー越しだが射抜くように見つめられ、不覚にも心拍数が跳ね上がった


やば…

ちょっとだけときめいてしまった





「…おい」

「え…うぁっ!!」


 
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