この腕の中で君を想う


後ろで悪魔の囁きが聞こえたかと思えば

突然視界がグラリと歪み


そのままストンとシートにもたれ掛かる


ん…?なんか感触違う


そのまま後ろを振り返れば仏頂面の白山がいて

私はいつの間にか白山の胸の中にすっぽりハマっていたようだ


……なんで?


「…何する…んン!?」

見上げたのと同時に顔が近づき唇が重なる

思考が追いつかないまま直ぐに舌が入ってきて強引に舌を絡み取られた

噛みつくような口付けで息もままならない


「…ん…やぁっ…」

キスの合間に腰や背中ををやんわりと撫でられ体がゾクゾクッと震えた



ちょっ…ヤバいって

増田さんがいるんだよ!?


僅かな理性が羞恥心を後押しして、必死で抵抗しようとも頭と体を固定されて身動きが取れない

それどころかキスは次第に深くなっていき、ただされるがままだった



…流される



「…ン…ハァ…急に何…するん…ですか!!」

数秒か数分だか分からないが、やがて唇は離され、私は力が抜けて白山の胸に身を預けると


息を切らしながら涙目で睨み付けた
 

 
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