この腕の中で君を想う



「あの~…増田さん…ここで下ろしてもらいませんか?」


できれば私の身に危険が及ぶ前に

今すぐに


頼みの綱である増田さんに助けを求めるが、肝心の増田さんはキョトン顔で

「なんで?もう少しで家に着くし、勿論学校まで送るから遅刻の心配はないから大丈夫だよ」



「いや、そうじゃなくて…」


駄目だ、話が噛み合わない

私はキラキラ輝く笑顔を向けて欲しい訳じゃないの!!


「もうッ…増田さん!!この状況からみて分かりませんか!?」

後ろから抱きつくような形でしっかりホールドされている私

どう考えても可笑しな状況だと思うでしょ?

そう言えば、増田さんは低く唸って考える仕草をすると、前を向いたまま口を開く




「ん~…イチャついてる二人?付き合ってるんだから問題ないでしょ」


「問題あります…え?なんで!?」


知ってるの!?

思わず白山に目を向けるが、意味深な笑みを浮かべるだけで何も言わない




…まさか




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