この腕の中で君を想う

「…人がいる場所では苦手です」

たまに人前で堂々とｲﾁｬｲﾁｬするｶｯﾌﾟﾙを見かけるけど

あの人達の神経が分からない…

だって普通恥ずかしいでしょ？


そりゃあ…冬夜と手は繋いだりしたけど流石にキスは…ねぇ？


ﾎﾞｿﾎﾞｿと呟けば奏斗さんは驚いたような顔をしたが、すぐにﾆﾔﾘと意地悪い笑みを浮かべてゆっくりと顔を近付けてきた


「……ｯ」

ﾌﾜｯと匂う昨日の甘い香りにﾄｸﾝ…と小さく胸が鳴る



この匂い…苦手だ



「へぇ…じゃあ二人きりなら良いんだな。なんなら学校休んで俺の家に来るか？」


「～～結構ですｯ!!///」

息のかかるくらい耳元で囁かれ、一気に顔に熱が集まるのが分かる


からかわれているって分かっていても恥ずかしいものはやっぱり恥ずかしい


なんでこの男は平気でこういうコトを言えるのかなぁ…


もう、あれだ

遊び慣れてるんだ、この人



モテそうだし