この腕の中で君を想う
―――――――………‥
「すいません。学校まで送って頂いて」
家に送ってもらった後、またしても隆也さんの押しに負けてしまい
お言葉に甘えて、学校まで送ってもらってしまった…
「全然良いよ。隆也さんにお嬢様のように扱えって言われてたし」
「その割には増田さんにも散々からかわれましたけど?」
「…眞理ちゃんも言うようになったねぇ」
口を尖らせて可愛くない言葉を発するが、気にせず増田さんは白い歯を見せて笑う
ほんと…この短時間で皮肉を言い合える仲にまでなったから驚きだ
年齢を感じさせないこの爽やかな笑顔と親しみやすい楽しい会話
仲良くなるのにそう時間はかからなかった
それに比べて…
チラッと奏斗さんを見上げる
「ん?俺に見とれてたか?」
「なんでそうなるの…というか、学校に遅刻するんで離して下さい」
この数十分間でこの人の性格が良く分かった
ただの意地悪な変態
あー…この男とは一生仲良くなれない気がする
むしろイライラが増加?
車の中で色んな所触ってくるし
キスはするし
私のことからかって楽しんでるし
やっぱり早まったかも…