この腕の中で君を想う
「痛っ…」
慣れた手つきで両手を拘束され、上にあげられる
不幸にもこの場所は死角になっており、誰も気付かない
あー…不覚
あれだけ警戒していたのにここにきて安心してしまった
流石にこんな場所では何もしてこないだろうと思い込んでいた
頭の中を危険を知らせる警笛が鳴り響く
「や…待って…ここ…外」
奏斗さんの唇が厭らしく首筋を這い、ピクンと体が跳ねる
顔を赤らめて嫌々と首を横に振るが余計に悪魔を煽るだけで
「嫌がる顔…なかなかそそるな」
耳元でクスッと笑うと私の言葉を無視して、ゆっくりと端正な顔が近付いてくる
もう逃げられ無い―――――
私はギュッと目を瞑った
「え…佐藤?」