この腕の中で君を想う
決して大きな声ではなかったが、冬夜の凛とした声に足を止める
同時に、心臓が大きく脈打った
まるで…私の心を見透かされたようだった
冬夜が何を聞きたいのか、分かってる
あんな下手な芝居じゃ隠し通せない事くらいも
それでも、冬夜には何も知って欲しくなかった…
「……分かった」
背中を向けたままコクリと頷くと、動揺を隠すように足早に教室へ入っていった
「……眞理」
お前だけは、守りたい…
そう小さな声で呟くと
ポケットに入れた拳を強く握り締めながら
彼女の後ろ姿を見送った