この腕の中で君を想う
靴を脱いでリビングへ案内され、私は美里さんに先程買ったゼリーなどを渡した
「あら♪わざわざありがとねぇ~。大好きな彼女の眞理ちゃんがお見舞いに来たんですもの♪冬夜が喜ぶわ♪」
冬夜…別れたこと言ってないんだ
もう彼女じゃないし…喜ぶかは分からないけど
その言葉は飲み込んで、ニコリと微笑んだ
「冬夜が珍しく熱なんか出しちゃってね…元気だけが取り柄なのに」
やっぱり風邪引いてたんだ
少なからず仮病かと思っていたからチクリと胸が痛む
「それでも行くって…どうしても外せない日だからって聞かないから無理矢理ベッドに放り込んだのよ」
外せない日…
冬夜は私の話を聞く決心をしていた
私は…逃げ出そうとまで考えていたのに
「…あの…部屋に入ってもいいですか?」
「いいわよ?あ、これも一緒に持っていってくれないかしら?」
そういって渡されたのは氷水に浸されたタオルとお粥、薬にミネラルウォーター
ずしりとくる重さに思わずうっと声を漏らしたが、分かりましたと苦笑いを浮かべて冬夜のいる二階へと足を運んだ