この腕の中で君を想う



その日の夕方

部活も終わり、帰る準備をしていたら一本の電話が来た

着信の相手は眞理ではなく、俺の母親だった

「…もしもし?」

『もしもし⁉大変なの‼』

眞理ちゃんが…


その言葉を聞いた瞬間…

目の前が真っ暗になった




俺は急いで母親に指定された病院へ向かい、病院に着くと受付の人に眞理の病室を聞いて病院にも関わらず走ってその場所へ向かった



ガラガラッ


「はぁ…眞理っ‼」

「…どうしたの冬夜?」


上半身を起こしてニコリと笑っている眞理

椅子には俺の母親と、眞理の母親が悲痛な表情で座っている


「どうしたんだ…ッ‼」

…嘘だろ

眞理の異変に気が付いて俺は思わずその場に崩れた

眞理の右足はギプスで固定されていて他の場所もところどころ怪我をしていて、包帯を巻かれていたのだ




「…一体…何が」


起きたんだ…俺は呆然とこの光景を見ていたら眞理が口を開いた

「ゴメン…お母さん達はちょっと外してくれないかな?…冬夜と二人で話がしたいの」

「…分かったわ」

眞理の申し出に二人は席を立ち、チラリと俺達を見やって部屋から出て行った


この空間の中に俺と眞理の二人きりになってしまった

「とりあえず椅子に座れば?」

クスリと笑って俺を見る眞理

どうして…笑ってるんだよ


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