この腕の中で君を想う


俺はゆっくりとした動作で椅子に腰掛けた

眞理はそれをみてふっと微笑むと、窓の外を見つめた

「…馬鹿よね…私」

もうすぐインターハイだっていうのに…こんな怪我しちゃった

ハハッと笑う眞理にどうしようもない憤りを感じた

笑うなんて可笑しい…

「なぁ…何があったんだよ…眞理」

「…どうしても…穢されたくなかったの…あの場所を」

「あの場所…公園の事か?」

眞理はゆるりと頷いて、淡々と言葉を紡いでいく

「午後から練習だったから午前中はいつもの公園で練習しようと思ってた…そうしたらあのコートで女の子三人が煙草を吸いながらバスケとも呼べない遊びをしていて…怒りが湧いた」

キュッと唇を噛み締める

「私が冬夜と過ごした思い出を踏みにじられた気がして、どうしようもなく腹が立った…だから…思わず声をあげてしまった」

ここはバスケをする場所なの‼

やる気が無いならどこかへ行って‼


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