この腕の中で君を想う

ーーーーーーーーーー………



「……ん」

重たい瞼を開けて、まず見えたのは真っ白な天井

そうだ…俺…風邪で休んだんだ…


「……っ今何時⁉」

ガバッと起き上がり、近くにあった置き時計に目をやる

…夜の10時って…どれだけ寝てたんだ…

もう動く気も失せて再びベッドに沈み込む

熱はもうすっかり下がった

俺はおでこに乗せられたまだ冷たいタオルを外してそこら辺に放った

「眞理との約束…守れなかった」

いや、

約束…じゃないか

確認…か

俺が、どうしても眞理とあのオッサンとどういう関係なのか…本人の口から聞きたかったんだ


トントン

ガチャリ


「…あら、起きてたのね」

「…母さん」

起きているとは思っていなかったのか驚いたような顔で中に入ってきたのは母親

手に持っているお盆にはゼリーが乗せられており、母親は膝をついてテーブルの上にそれを置いた

「…熱はもう下がったの?」

「…まぁ」

素っ気ない返事を返せば、母さんはフフッと笑った

「これも眞理ちゃんの愛のパワーのお陰かしら♪」

「…なんでそこで眞理が出るの」

別れた事は言ってないが、急に眞理の名前が出るとは思わなかったので自然と声が低くなる

「あら?ついさっきまで来てたのよ?」

「……は?」


俺は自分の耳を疑った




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