この腕の中で君を想う


「起きなかったあんたが悪い」


フンッと鼻を鳴らすと、さっさと布団を片付け始めた



「………うん」

まだ頭がボーっとしてる

徐に周りを見渡せば見慣れない部屋が目にうつる

「…ここどこ?」

「はぁ!?まだ寝ぼけてんの?私の家なんだけど」


真沙美の家…



あぁ…
思い出した


タクシーに乗り込んだ後、家に帰らず真沙美の家に行って…

家に入るなりわんわん泣いて、真沙美は何も言わず、ギュッと抱きしめてくれた

それから私の気が済むまで元彼の話を聞いてもらって…

気が済んだら済んだで真沙美のベッドで寝ちゃったんだった


「ゴメンね」

二人用のソファに毛布が掛けてあるのが見えて、あそこで真沙美が寝たんだと思うと胸が痛い



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