この腕の中で君を想う


「お疲れ様~」

リビングで待っていたのは相変わらずテレビに釘付けになっている真沙美…ではなくて

キッチンで何か作業をしているのかと思えば

私の顔を見るなり走り寄ってきて「真沙美特製ドリンクどうぞ♪」ってコップになみなみ入ったジュースを渡してきた


「ありがと」


気がきいているんだか悪いんだか


とりあえずお礼を言うと、零さないようコップに口付けた



「…美味しい」


様々なフルーツの甘みが口いっぱいに広がって尚且つあっさりとしていて飲みやすい


…まぁ、ただのフルーツジュースなんだけど

それを言ったら真沙美の雷が落ちるから絶対に言わない


でも、疲れている私には丁度良いものだった


「でしょ?」


喉を鳴らしながら夢中で飲んでいる私を見て満足そうに笑った


「あ、そうそう」


突然なにか思い出したようにパンッと手を叩くと、さっきの笑みはどこかへ消えて、意味深な笑みを私に向ける



「なに?」



まさかまた仕事頼む気じゃ…


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