この腕の中で君を想う
「…そっか」
私はそれ以上何も言うことが出来なかった
何となく気まずくなってしまい、私はシートにもたれ掛かると窓の外の景色を眺める
いつもの見慣れた風景
あと10分ぐらいで家に着のかなぁとぼんやり考えていたら
「そういえば…お前の彼氏は元気か?」
顔は前を向いたまま目だけ私の方に向けた
重い空気だったので話題を変えようとした達巳の優しさは嬉しかったが
一番聞いて欲しくない話題を投げかけられた
「…えっと、多分元気かな?」
昨日別れました。なんて言えるはずもなく
とりあえず曖昧に返事をする