この腕の中で君を想う



あの女はなんて言うだろうか



ありがとう

なんて言う筈ないし


きっと嫌そうな顔しかしないだろう



まぁ…でも


・・手帳を拾ってやったお礼はきちんと貰わないとなぁ…



「ヤベッ…なんか楽しくなってきた」



つまらない生活にちょっとは刺激になってくれよ


なぁ…

佐藤眞理サン?



俺はククッとくぐもった笑い声を一つすれば、


目の前に訂正をして持ってきたさっきの彼女が立っていた





「…いい加減仕事をなさって下さい」


怪訝そうな顔をされたのは言うまでもない



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