この腕の中で君を想う
「あーあ。こんなことになるなら手帳に大きく
"冬夜との記念日"
なーんて書くんじゃ無かった」
本当に馬鹿みたい
今すぐ消そう
私は部屋のすみに放ってある少し埃のかぶった鞄から手帳を取り出そうとした
が
「あれ…無い…って」
当たり前だ
後で服のポケットに入れたんだった
鞄を近くに放ってクローゼットを開けると、あの時着ていた薄手のコートを取り出す
「確かこのポケットに………無い?」