この腕の中で君を想う


「あれだけ大声で話してたら誰だって聞いてるだろ」

「大声…てι」

悪びれもなく堂々と言ってのける男に怒る気さえ失せた


しかし…いきなり現れたかと思えばなんなんだこの人はι


見た感じ25、6歳くらいの至って普通の男性


髪をオールバックにしているから少し老けて見えるのかもしれないが顔は意外にも整っていた


「そうよ…フられたの…笑いたければ笑えば?私はもう帰るから」



これ以上いたら苛々が募る一方だ



吐き捨てるようにそう言って勢いよく立ち上がれば立ち眩みがして少し体がよろめく





「慰めてやろうか?」



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