この腕の中で君を想う
「…眞理」
一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに私から視線を逸らす
「なんで一緒の電車なんだよ」
ハァ…とあからさまに溜め息をつかれてズキリと心が痛む
「…私だって好きで一緒の電車に乗った訳じゃないわよ」
吐き捨てるようにそう言うと、出来るだけ目線を合わさないようにした
ガタンゴトン
ガタンゴトン
学校までの距離は30分くらい
いつも座っていたから足が疲れる
そのうえ脂汗をかいた中年男と密着しているのがさらに疲労感を倍増させた