この腕の中で君を想う
「19世紀にある出来事が起こり…」
甲高い声で喋りながら黒板に白で滑らかに書いていく女の先生
通称おかめさん
何時も化粧が濃すぎて顔が真っ白なのが印象的で、まだ名前すら覚えていない
「………」
おかめさんの話が右から左へふわふわと流れていく
授業を聞く気が起きない
勿論、何が原因なのかは自分が一番よく分かっていた
ぼーっと黒板を見つめながらなんとなく授業を終え、あっという間に時間は過ぎていった