この腕の中で君を想う
彼の心-沢口冬夜side-
ガラガラ…バタン
扉の閉まる音がすると、俺は再び鞄に物を詰め込み始めた
気がつけば生徒はみんな帰ってしまっていて
教室内には誰一人いなかった
ふと
俺はペンケースを入れようとしていた手を止めると、椅子を引いてストンと落ちるように座った
・・
「沢口君…か。久々にアイツから聞いたな」
徐に鞄に付けてある物に視線を移す
キラキラ光るそれは綺麗な夕焼け色に染まっていた