この腕の中で君を想う




鞄の端でキラキラ光っているソレは、いつの日か佐藤と買ったお揃いのキーホルダー




部屋にある佐藤との思い出が詰まった品物は全て処分した




だけど…これだけは捨てられなかった



佐藤が初めてプレゼントしてくれた物だったから




それに…電車で見たあの顔を思い出したら、余計捨てられなくなった



本当に女々しい奴…



俺はキーホルダーに触れながら自嘲気味に笑った








「眞理…」





< 81 / 252 >

この作品をシェア

pagetop