この腕の中で君を想う



*****




キョロキョロと辺りを見渡して誰もいないことを確認すると






その辺に鞄を投げて、金網で作られたドアをゆっくりと開けた


ギィーという古めかしい音を耳にしながら引き込まれるようにして中へ入っていく



「どこに……あ、あったあった」


近くに転がっているボールを手に取ると、何度かバウンドさせた


ダン…ダン…ダン…


使い込まれたボールの音が物静かなこの場所によく響く


しばらくバウンドを続けると両手でボールを持ち、ゴール目掛けてシュートした


シュッ…




スパンッ…



ボールは綺麗な弧を描き、枠にあたることもなく吸い込まれるようにしてゴールの中へ入っていった




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