この腕の中で君を想う



私はいつものように駅へ向かった



見慣れた景色を眺めながらトボトボ歩いて行く

周りの景色が色褪せて見えるのは気のせいなんかじゃないと思う


"今日どこ行く~?"

"うーん…そうだな"

ふと、一組の仲睦まじい学生のカップルが私の横を通り過ぎて行くのが目に移った


"栞里の行きたい所連れて行ってやるよ"

"本当!?嬉しい♪"



私なんて目に入ってない


ここは二人だけの世界なんだっていう甘い雰囲気を醸し出していた



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