この腕の中で君を想う


――――――――…‥

最後の書類に目を通し、上司に提出しても問題がないことを確認すると小さく背伸びをした


「ふぅ…」

椅子に深く腰掛けてすっかり脱力すると、目頭をおさえて天を仰ぐ



時刻は8時



周りをみれば、みんな帰り支度を始めていた


なんとか間に合ったようだな


とりあえずホッと一安心していたら




「え…終わったんですか?」


突然声を掛けられ


その声の主が誰なのかは大体予想がついたが

取り敢えず上体を起こして前を見れば


「嗚呼…お前か」


案の定…酷く驚いたような顔をした堅物女がいた

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