卒業するまで〜先生へ〜
第一章
気づかない思い
「可奈〜?有希ちょっとトイレ行って来る!!」
小さい頃から有希って自分のことを名前で呼ぶ。
だって『うち』や『私』って言うのは…ちょっと合わんって言うかなんて言うか…。
まあ、有希にはそれが合うってよく言われるし、いつか直そうとは思うけど、まだいいかな?とか思いながらもう14歳なんだけど…。
「うちも行く〜!!」
有希の親友、沢田可奈は自分のこと『うち』って言う。
可愛くて、似合っていいなって思う。