ストーカークラブ
第七章 矛盾
卒業式に三人は来なかった。
まるで始めから存在していなかった様に。
他の同級生と写真に写りながらも、信太は腑に落ちない気分で一杯だった。きっと卒業写真の信太は、引きつった笑い顔だったのだろう。
皆に誘われた飲み会でさえ、行く気にもなれなかった信太は、陽一の家に向かって歩いていた。そしてその途中、美奈子から電話がかかってきた。
「連絡できなくてごめんね〜。お姉ちゃんが旦那さんと喧嘩して、私が仲裁してるの」
美奈子は堂々と嘘を言った。
この前、お姉さんはバツ一で、五年前から実家で一緒に暮らしていると話していたではないか。
もう別れ話しをする事しか考えてない信太は、
「美奈子、俺とわっ」
「ゴメン! お姉ちゃんと旦那さんが掴み合いの喧嘩始まったから、止めなきゃ。また連絡するから。じゃ」
ツゥーーーツゥーーーツゥーーー。
話を遮られ、一方的に電話を切られた。
中途半端な状態が嫌いな信太は、携帯を強く握りしめ奥歯を噛んだ。
まるで始めから存在していなかった様に。
他の同級生と写真に写りながらも、信太は腑に落ちない気分で一杯だった。きっと卒業写真の信太は、引きつった笑い顔だったのだろう。
皆に誘われた飲み会でさえ、行く気にもなれなかった信太は、陽一の家に向かって歩いていた。そしてその途中、美奈子から電話がかかってきた。
「連絡できなくてごめんね〜。お姉ちゃんが旦那さんと喧嘩して、私が仲裁してるの」
美奈子は堂々と嘘を言った。
この前、お姉さんはバツ一で、五年前から実家で一緒に暮らしていると話していたではないか。
もう別れ話しをする事しか考えてない信太は、
「美奈子、俺とわっ」
「ゴメン! お姉ちゃんと旦那さんが掴み合いの喧嘩始まったから、止めなきゃ。また連絡するから。じゃ」
ツゥーーーツゥーーーツゥーーー。
話を遮られ、一方的に電話を切られた。
中途半端な状態が嫌いな信太は、携帯を強く握りしめ奥歯を噛んだ。