ストーカークラブ
第十一章 崩壊
あれから、社会人になった信太は、新人サラリーマンとして忙しい毎日を過ごしていた。嫌がらせを止める為に動きたいが、仕事が忙しく時間に余裕などなかった。だからといって、この数ヶ月の間、美奈子と順のストーカー行為は相変わらず続いている。この2人の職業はストーカーじゃないのかと思わせる程に。
会社から帰ると、玄関前には美奈子の居た形跡があり、家に入れば留守電に、順の狂ったメッセージで一杯なのだ。
しかし不思議な事に、携帯への非通知や、自宅への無言電話はいつの間にか、なくなり落ち着いていた。
疲れがどっと出た信太は、いつもの様にビールを飲み始めた。
ピロピロリ〜ン♪
携帯のディスプレイを見ると、白石さんからの着信だった。
反射的に通話ボタンを押してしまった信太は携帯を耳に当てると、
「嫌がらせはどうかな?」
あの日、白石さんが薄笑いを浮かべた姿が容易に思い出された。
白石さんが(白馬の王子)の正体だと確信を持った信太は答える。
「お久しぶりです、白馬の王子様」
と一言、言い放った。
電話口で黙ってしまった白石さんの態度から、明らかに狼狽しているのが伝わってきた。その証拠に、白石さんは慌てていたのだろう。その後何も言わず電話を切った。信太があのサイトの書き込みを見る事など、考えもしなかったのかもしれない。
会社から帰ると、玄関前には美奈子の居た形跡があり、家に入れば留守電に、順の狂ったメッセージで一杯なのだ。
しかし不思議な事に、携帯への非通知や、自宅への無言電話はいつの間にか、なくなり落ち着いていた。
疲れがどっと出た信太は、いつもの様にビールを飲み始めた。
ピロピロリ〜ン♪
携帯のディスプレイを見ると、白石さんからの着信だった。
反射的に通話ボタンを押してしまった信太は携帯を耳に当てると、
「嫌がらせはどうかな?」
あの日、白石さんが薄笑いを浮かべた姿が容易に思い出された。
白石さんが(白馬の王子)の正体だと確信を持った信太は答える。
「お久しぶりです、白馬の王子様」
と一言、言い放った。
電話口で黙ってしまった白石さんの態度から、明らかに狼狽しているのが伝わってきた。その証拠に、白石さんは慌てていたのだろう。その後何も言わず電話を切った。信太があのサイトの書き込みを見る事など、考えもしなかったのかもしれない。