大好きだから…

~ありさside~

私はあの時『恋』なんて言葉なんて知らなかった。

紗季が直人の事好きなだ。って事も全然気づいてあげられなかった…

紗季はあの日以来、余り私と話さないようになった。

いつも直人にぴったりで、1人仲間外れにされた気分だった。

直人が気を遣って『ありさ、行くぞ!』って言ってくれたけど、直人が私に気を遣えばつかう程、紗季から私への態度がひどくエスカレートしていた。


私達は小6になった。
直人は身長が10センチも伸び、私より遥かに大人っぽくなっていた。

私はそれを感じた瞬間、直人にも置いてきぼりにされちゃうんじゃないか心配でならなかった。

私は急に不安になり、学校の帰り道、堪えてた涙がたくさん出てしまった。

『どうしたんだよ。大丈夫だから、泣くなよ。』

私は一瞬何が起きたかよく分からなかった。
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