王国ファンタジア【流浪の民】外伝~震える大地
 レインはヴァラオムだと知ると、隣に立ち疑問を投げかけた。

「あいつ……何かしたのか?」
[! 何故だね?]

 ヴァラオムは少年の言葉に片眉をぴくりと上げる。

「前と違う」

 雰囲気がどことなく違っている事に、レインは気付いていた。

 どうやら、彼に隠し事は出来そうにない。ヴァラオムはそう感じて、話す体勢をとった。

 座り直したヴァラオムの横に腰掛けるレイン。

[確証のある事柄ではないのだが……]

 ゆっくりと語り始める。静かに聞き入っていたレインだったが、心中は少し驚いていた。

「あいつが……不死に?」

[本人も確証が無いので話すつもりは無いようだが、知らずに変化に気付いたという事は……]

 ヴァラオムは苦い顔をした。
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