王国ファンタジア【流浪の民】外伝~震える大地
そうして馬車と馬は、南にある領主の屋敷へ──
黒い鉄格子がぐるりと取り囲み、大きな屋敷がそこにあった。周りは平原で見晴らしがいい。
周辺には、まばらに見える小さな森が転々と見渡せる。
重厚な門が開かれ、ベリルは馬車の後に続く。
馬から降りたベリルに、マリレーヌは近づいて微笑んだ。
「浴場はハインツに聞いてくださいな」
侍従の男にすいと手を向けた。ベリルは無言で頷いて、馬の手綱をハインツに手渡す。
「しばらくお待ちください」
ハインツに、エントランスで待つように指示された。ベリルとヴァラオムは広いエントランスの天井を眺める。
豪華なシャンデリア、窓から差し込む太陽が透明のガラスに光を反射して輝いている。
時は昼下がり、2人は案内され透き通った水が張ってある広いタイル張りの浴場に少し驚いた。
旅人である2人にとっては、あまり慣れない造りだがそもそもが上品に動くヴァラオムとベリルに、さしたる粗相(そそう)もない。
黒い鉄格子がぐるりと取り囲み、大きな屋敷がそこにあった。周りは平原で見晴らしがいい。
周辺には、まばらに見える小さな森が転々と見渡せる。
重厚な門が開かれ、ベリルは馬車の後に続く。
馬から降りたベリルに、マリレーヌは近づいて微笑んだ。
「浴場はハインツに聞いてくださいな」
侍従の男にすいと手を向けた。ベリルは無言で頷いて、馬の手綱をハインツに手渡す。
「しばらくお待ちください」
ハインツに、エントランスで待つように指示された。ベリルとヴァラオムは広いエントランスの天井を眺める。
豪華なシャンデリア、窓から差し込む太陽が透明のガラスに光を反射して輝いている。
時は昼下がり、2人は案内され透き通った水が張ってある広いタイル張りの浴場に少し驚いた。
旅人である2人にとっては、あまり慣れない造りだがそもそもが上品に動くヴァラオムとベリルに、さしたる粗相(そそう)もない。